ガイド日誌

船窪小屋の夜に

投稿日:2011年9月21日 更新日:

二つのランプに火が灯りました。

囲炉裏では炭火が熾され、天井から吊るされた自在鉤には湯のたぎる鉄瓶が掛けられています。
ここは標高2509mの七倉岳直下、船窪小屋。
このランプの明かりだけをたよりに、囲炉裏の周囲に並べられた食卓を囲んで、間もなく日本の山小屋屈指ともいわれる夕食が始まります。

今回個人のお客様をご案内して快晴の扇沢から入山したのが一日前。
今朝は針ノ木峠から蓮華岳、北葛岳を越えて断続的に降る雨の稜線をここまで縦走してきました。
蓮華の大下りでは濡れる岩に緊張を強いられましたが、時折広がる晴れ間に覗く周囲の山稜や熟期を迎えたクロマメノキの実、足元を逃げないライチョウの姿に飽きさせられない山旅でした。

船窪小屋は不思議な場所です。
決して大きいとも、新しいともいえず、ましてや八ヶ岳にいくつか残る黒木の森の古き良き山小屋の雰囲気とも違う、エスニックでクラシックでそして少しだけモダンな佇まい。
手のかかった夕食、感激したデザートのクロマメノキのゼリー、その後の親睦会、ネパールの恋歌、日本の古き山の歌、ハーモニカ、etc…

小屋を立つ日、予報に反して快晴の朝となりました。
次々と出発する登山者を送り出す鐘の音が周囲に谺します。
時折振り返りながら、その日の目的地烏帽子岳を目指して歩き出す私達。
徐々に小さくなる鐘の音と山小屋。\nそしてその下に立って手を振るご主人も樹々の間に次第に遠くなってゆきました。

咲き残りのコマクサが雨に濡れる。

ライチョウにも出会えた。

クロマメノキもたわわに実っている。

船窪小屋はランプの宿。

広間中央には囲炉裏が切られている。食事もここで。

夕食。この他に「古代米のご飯」「みそ汁」「デザートのゼリー」が付く。

翌朝は快晴となった。

遠くに槍を望む。雲海の下は高瀬ダム。

千尋の谷。写真では分かりづらいけれど、すざまじい高度感。

四十八手池の点在する天空の庭。ミニ高天原?

南沢岳、不動岳、そして右奥には立山。剣は見えない?

烏帽子小屋からの朝焼け。オパール色の空の下には赤牛と薬師。

下山後、安曇野の蕎麦処「百花」に立寄った。もりの大盛り。食器はすべて備前焼。

君は誰?

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