6月7日に関東甲信地方も梅雨入り。
登山にはあまり歓迎したくない季節の到来です。
登山そのものが目的の場合はやむなくツアーをキャンセルすることが多くなるのは仕方ありません。
但し、この時期は山の稜線ではいよいよ高山植物の開花が進み、花好きには少々の荒天であっても見逃せない花も咲き揃うので、悩ましい季節でもあるのです。
梅雨入り直後の8日・9日と登山ツアーをご案内して硫黄岳から赤岳まで縦走してきました。
このツアーは百名山ピークハントはもちろんですが高山植物の先頭を切って咲くツクモグサと山麓のホテイランがメインテーマ。
なのであえてこの梅雨の時期に催行とならざるをえません。
今回も予報は悪くなく、二日目はヤマテンでも晴れとなったので大いに期待したのですが、結局終日ガスに覆われ展望はほぼありませんでした。
大降りに降られなかったのが何よりの救いです。
今年はどの山域でも残雪が多かったのですが、八ヶ岳もその傾向にあり、雪解けが遅かった分ツクモグサの開花も遅く、ここ数年に比べいい状態での花をご覧いただくことができました。
他に目についたのは林間のミヤマスミレ、コミヤマカタバミ、ウスギオウレン。稜線ではコメバツガザクラとキバナシャクナゲ、オヤマノエンドウぐらい。
他の花はまだ固く蕾を閉じていました。
それでも硫黄岳の大ダルミ辺りで無数のコマクサが小さな葉叢を砂礫から覗かせているのは嬉しい光景です。
いよいよ稜線でも花の季節。
今年も期待しましょう!
夏沢鉱泉付近のミヤマスミレ。雨でうつむいていました。
今回は花も多く見られたウスギオウレン。光量が足りないのでブレてます。
夏沢峠では一瞬ガスが晴れました。
硫黄岳への登り。
爆裂火口の縁を行きます。
山頂付近では青空も。でも一瞬でした。
硫黄岳山荘の夕食。
こいつは欠かせません。
夕方青空が広がりました。
佐久方面。
翌日は予報に反して濃いガスに覆われました。
横岳の岩場。
主峰主峰直下の鎖場は緊張するところです。
後ろには台座の頭。
添乗員さんも頑張りました。
梯子も連続します。
まだ堅い蕾のウルップソウ。
キバナシャクナゲの蕾。色合いが何ともいえません。
水滴を纏った花。精妙かつ高貴。
開花を確認したイワウメはこの株だけでした。
ツクモグサ。さすがにこの天候では開きません。目の高さで接写できる唯一の場所で。
綿毛に露がまつわりついてゼリー菓子のようです。
岩場のトラバース。隙間にもツクモグサが。
横岳最大の難所鉾岳のルンゼも無事通過。今回は足元が濡れてかなり厄介でした。
いよいよ赤岳の登りです。
あと一息。後ろには横岳が霞んで見えます。
無事山頂到着。皆さんこの笑顔です。
下山路の南沢で。コケや地衣の箱庭。
ホテイラン。光量不足でぶれたものが多い写真の中でこれだけが比較的ましに撮れました。深度が浅いのが残念です。