八ヶ岳便り

樺(かんば)の肌と残月と

投稿日:2021年2月26日 更新日:

 

2月20日。
風の強い、そして異常なほど気温の高い午後、サンヨン(+リアコン)を持って雪の森の逍遥を楽しんできました。

自宅のある標高1,300m付近には日陰の一部を除きほとんど雪が無いのですが、1,600mにあるスキー場のエリアでは十分な積雪があります。
「MSRライトニングアッセント」は貸し出しているので、古馴染みの「デナリアッセント」を倉庫から引っ張り出して何年か振りで装着。
ラバーベルトが予想以上に硬化しているのには驚きました。
(脱いだ後確認したら片側のヒールストラップが切れていました)

表面には薄く新雪、その下は最中(もなか雪のこと)になっていて雪質はあまり良く無いコンディション。
踏み抜き感があまり嬉しくない感触でスタートです。

普段ならそれなりに人の入るエリアですが、幸い全くのノントレース。
明るい雑木林の平地から本来の防火線コースを外れて、緩い尾根状地形へと登ってゆきます。
時折風に乗って隣のスキー場からかすかに聞こえる音楽とアナウンスの声以外はひたすらの静寂。
小鳥一羽渡らない木々の梢が午後の柔らかな日差しを枝先に載せて鈍く輝くばかりです。

これといった被写体もないので、レンズ性能の試験を兼ねた試写を繰り返します。

ほどほど登ったところでコースを水平方向に取り、ウラジロモミの疎林を抜けてカラマツの植栽林へ。
鹿の踏み跡を追ってゆくと旧知の防火線末端に出ました。

ここで小休止。
水分を摂っていると、突然甲高い警戒音。前方視界に鹿の群れが矢のように逃走してゆきました。
200m近い距離もあり、カメラを構える暇もありません。

その後新コース開拓も兼ね、鹿の群れが走り去った方向に踏み入ってみました。
こういう時はハンターの目で周囲を警戒、かすかな動きも見逃さないように注意深く歩きます。

すると右側視界にかすかな動きが。
先ほどの群れとは違う鹿が数頭ゆっくり下ってゆくのを発見しました。
距離約150mぐらい。
どうやらこちらには気づいていない様子なので、慎重にカメラを構えます。
被写体との間には密生した木々があるので、隙間に差し掛かったところを速写しなければならないのですが、このタイミングが難しい。
辛うじて2枚だけ頭が写った画像をものにできました。

その後中天に掛かる残月を撮ったり、はるか遠方に見える天文台のパラボラアンテナや金峰山の五丈岩などを300mmの威力確認のため撮ったりした後、初めてトレースする広大な落葉松林を抜けて帰途につきました。

最後に駐車場から撮った赤岳山頂や横岳の画もある種の登高衝動を誘う厳しくも美しい世界でした。

 

50mほど先の倒木。

ダケカンバの梢。この艶やかさが青空に映える。

無加工、撮って出しの画像。白樺と違って常時ターンオーバーしてる樹皮は人肌のような艶かしさが漂う。

残月。この距離でもかすかにクレーターが見える。最も身近かな天体。

金峰山の北面。五丈岩もしっかり確認できる。

国立天文台の電波望遠鏡パラボラアンテナ。

辛うじて捕らえられたニホンジカの画像。

ちょっとこちらに気付いた耳の形です。ファインダー越しにはここまで確認できません。

雪縞。

少しだけ春の香りがしました。

赤岳山頂。山頂標識もかすかに見えますね。

こちらは横岳の南半分。鉾岳のルンゼもなんとなく分かります。

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